ロードバランシング機能

Last Modified: 12/11/2013 at 13:56 | Release:

概要

ロードバランシング機能 (HA Load Balancing) はリリース R3.1 で追加された新機能で、2 つの PM 両方に VM を分散することでパフォーマンスと可用性を向上させます。この機能は、Avance Management Console の [Preferences] > [System Resources] ページに移動し、環境設定のひとつとして有効にすることができます。ロードバランシング機能は VM 毎に設定され、自動的またはユーザの割り当てによって実行されます。一方の PM が停止している場合、すべての VM は正常に稼働中の PM 上で実行されます。VM が実行されることになっている PM が再稼働して完全に同期されると、VM はその PM に即座に自動移行されます。

機能の有効化 / 無効化手順

  1. [ Preferences] >[ System Resources] ページに移動します。
  2. [HA Load Balancing] の下にある [ enable ] または [ disableをクリックします。
  3. [ Save] をクリックして設定を保存します。

Preference ページで  ロードバランシング機能を有効にすると、Avance は自動的な VM のロードバランシングが可能かどうか確認し、実行前に確認画面が表示されます。[YES] をクリックすると、VM は即座に移行を開始してシステムのロードバランシングが実行されます。手動で VM を割り当てる、または移行をいったん保留する場合は、確認画面で [No] をクリックします。

注: Avance リリース R3.1 にアップグレードする場合は、アップグレード後にライセンスを再度アクティベートしてこの機能を有効にする必要があります。ライセンスの再アクティベート手順は、お使いの Avance システムがインターネットに接続されている場合、システムの運用開始後 24 時間以内に自動的に開始されます。Avance Management Console のヘルプの License ページで説明されているように、ご自身でライセンスを再アクティベートすることもできます。

動作モード

VM のロードバランシング機能は、[Virtual Machines ] ページにある 各 VM の [ HA Load Balance] タブで設定するように用意されています。サポートされているロードバランシングのモードは以下のとおりです。

  • VM のAutomatic Load Balancing(自動ロードバランシング・モード) : このモードでは、VM の実行が両方の PM に均等に分散されます。この機能を有効にすると、ダッシュボードにアラートが表示され、マストヘッド部分にはロードバランシングに関する通知が表示されます。VM の自動ロードバランシングを実行するには、[Load Balance] をクリックします。[Virtual Machines] ページの [Current PM] カラムの下に表示されているバランス・アイコンは、その VM がすぐに移行されることを示しています。
  • VM の Manual Load Balancing (手動ロードバランシング・モード) : VM がどのように使用されるか十分に理解している場合は、割り当てを自動化ポリシーに委ねるのではなく、実行させる PM を選択して各 VM に個別に割り当てることができます。
  • VM のAutomatic/Manual Load Balancing (自動/手動ロードバランシング併用モード) : 1 つまたはそれ以上の VM を特定の PM に割り当て、残りの VM では自動化ポリシーに基づいて自動的にロードバランシングを行なうことができます。

[Virtual Machine] ページでは、VM のロードバランシングの現在の状態を示す以下のグラフィックが各 VM 用に追加されました。このグラフィックでは、現在 VM が実行されているノード、および実行するノードの割り当て設定を確認できます。

Avance のポリシーによって、VM は確実に常時実行されます。一方の PM で障害の発生が予測される、PM が保守中あるいは稼働を停止した場合は、正常稼働中の PM 上で VM が実行されます。両方のノードが正常に稼働している場合、VM は割り当てられている PM へ常に移行されます。

パフォーマンス/可用性の利点

ロードバランシング機能を有効にすることで、Avance の実装において総合的なシステム・パフォーマンスの向上につながります。

  • 通常運用時には両方のサーバのコンピューティング・リソースを使用可能
  • ロードバランシング機能によって VM の移行時間を短縮
  • ディスクの読み取り負荷を 両方のノードに分散して読み取りパフォーマンスを改善すると同時に、ディスクへの書き込み用として 2 倍のネットワーク帯域幅を活用可能になることで同期書き込みレプリケーションを高速化

ロードバランシング機能のその他の利点としては、プライベート・リンクの障害時の可用性向上が挙げられます。システムは、10Gb の同期リンクあるいは管理用リンク (network0)を利用して通信を行なうことによって、このような障害を克服することができます。この機能は、お使いのシステムに 10Gb の同期リンクがある場合、あるいは network0で適切な帯域幅が確保できる場合を除き、無効化しておく必要があることに注意して下さい。

特殊な注意事項

ロードバランシングの実行は、データ同期および VM の移行用トラフィックの両方に代替パスがあることに依存しています。Avance では、可能な場合には常に10Gb の同期リンクがまず選択され、次にプライベート・リンク (priv0)、そして最後に管理用リンク (ibiz0) の順に選択されます。ご利用のシステムに 10Gb の同期リンクが構成されていない場合、障害の発生時にネットワークが過剰負荷になることを避けるため、ibiz0 が VM によって使用されないように設定することを強く推奨します。これは、プライベート・リンクに障害が発生すると、ibiz0 は同期トラフィック用に使用されるためです。

 

*日本語版最終更新日:2012/11/30