Avance ソフトウェア・アップグレード・ガイド

Last Modified: 03/16/2015 at 15:54 | Release:

アップグレードに関する重要な注意事項

リリース 3.x (R3.x)または4.0(R4.0) にアップグレードするためには、R2.0.1.11 およびそれ以降のリリースが必要です。 R2.0.1より前のバージョンをお使いの場合は、Avance のサポート担当者にご相談ください。 R2.0.1 からのアップグレードについては、付録 A – 古い Avance リリース (R2.0.1) からのアップグレード(Upgrading from Older Avance Releases [R2.0.1]) を参照してください。

  • Avance R2.xからR3.x またはR4.0へのアップグレードを実行する場合は、すべての VM を停止する必要があります。重要: アップグレードのプロセスを開始したら、最初の R3.x またはR4.0のノードがプライマリとなり、停止していた全てのVMのマイグレーションが終了するまで VM を稼働させないでください。
  • Avance リリース 2.X からアップグレードしようとしているお客様で、3 つ以上のドライブがある Windows VM を実行している場合、付録 Bまたは Known Issue (既知の問題)の 「Windows VM with three or more drives may crash after installation of PV Drivers (3 つ以上のドライブがある Windows VM に PV ドライバをインストールすると VM がクラッシュする場合があります) の項目を参照し、VM が起動しなくなる問題を発生させないために必要となる重要な予防措置について確認してください。
  • Kaspersky 製のアンチウイルス・ソフトウェアを利用している場合、Windows PVのインストール前にKasperskyの最新のホワイトリストにアップデートしてください。(アップデートされていない場合、VMが起動しなくなる場合があります)
  • アップグレードの際に、Avance は停止しているすべての VM が使用していたメモリの量を算出し、その量をシステムの総メモリ量から差し引いて利用可能なメモリの量を割り出します。Avance では、利用可能なメモリが十分にある場合に Avance の使用するメモリ量が自動的に 2GB まで拡張されます。
  • このリリースでは、Windows 2000 VM はサポートされません。
  • Windows VM を使用する場合、R2.xからのアップグレード後に新しい PV ドライバおよび .NET Frameworkのインストール(installation of new PV drivers and the .NET Framework)が必要です。PV ドライバのアップデートには、VM の再起動が必要です。
  • Linux 4.X VM を使用する場合、アップグレードされた Avance が供給するカーネルが必要です。
  • Linux 5.X VM を使用する場合、標準の RHEL カーネルのバージョン 5.4 以降が必要です。
  • R2.0.1 からのアップグレードの詳細については、付録 A – 古い Avance リリース (R2.0.1) からのアップグレード(Upgrading from Older Avance Releases[R2.0.1]) を参照してください。
  • HP プラットフォーム をご利用の場合、本リリース対応の新しいHP ツールが必要です。HPツールメディアの作成方法はHP ツール メディアの作成を参照してください。本リリースへのアップグレードの前にまずキットをアップロードし、その後に新しい HP ツールをアップロードする必要があります。
  • アップグレードの前に、キーワード 「firmware」 とリリース 「3.0」または「3.1」 を使用して Known Issues (既知の問題) データベースを検索し、ファームウェアの互換性の問題を確認してください。Known Issuesの検索については、Release Node R4.0の“Getting Help”を参照下さい。
  • 本リリースへのアップグレードには、有効なサービス契約を締結している必要があります。詳しくは、ユーザ・ガイドのAvanceソフトウェアのライセンスについて(Licensing)の項目を参照してください。
  • Avance R2.1.0.9 または R2.1.0.10 から直接R3.xまたはR4.0へのアップグレードはできません。Avance のサポート担当者と詳細をご確認ください。
  • Avance の R3.x またはR4.0へのアップグレードと同時に、HP P410i ストレージ・コントローラのファームウェアをバージョン1.66 からアップグレードする場合は、必ず次の順序で実行してください。
    1. Avance を R3.x またはR4.0にアップグレードする
    2. 各ノードの HP P410i のファームウェアをローリング・アップグレードする

ステップ 1: ファームウェアのアップグレード

アップグレードの前に、キーワード 「firmware (ファームウェア)」 とリリース番号で Known Issues (既知の問題) データベースを検索し、ファームウェアの互換性の問題について確認してください。また、Avance Firmware Matrix (Avance ファームウェア・マトリックス) で、最新の認証ファームウェアのバージョンの一覧もあわせて参照してください。サポート対象外としているファームウェアのバージョン一覧が、Avance Compatibility Matrix (Avance 互換性マトリックス) に記載されています。

  1. Avance Customer または Partner Portal Site にログインします。
  2. [technical support ]にある[Search for known issues]をクリックします。
  3. アップグレードするリリース番号、そして [issue type firmware(ファームウェアに関する問題) ] を選択します。

最新版の BIOS、BMC、ストレージおよび NIC のファームウェアをインストールします。この 操作はAvance管理コンソールから実行できる場合もあります(下記手順参照)。もし当該ファームウェアがAvance管理コンソールから入手できない場合は、物理コンソールからアップグレードする必要があります。その場合はAvance Support portal.の”How To” 記事から “How to Upgrade Firmware from the Physical Console” を参照してください。

  1. Avance Management Consoleで [Physical Machines] を選択します。
  2. セカンダリ 物理マシン(以下PM) を選択します。(プライマリ PM ではない)
  3. [Firmware] タブを選択します。
  4. [Device] の下から、アップデートするデバイスを選択します。(名前にある ALT はミラー・ダウンロード・サイトを示しています。)
  5. [Tested Firmware] の下から、適切なダウンロード・リンクをクリックしてファイルを保存します。(ファイルを実行したり開いたりしないでください。)
  6. [Browse] をクリックします。ダウンロードしたファイルを選択します。[Open] をクリックします。
  7. [Upload] をクリックします。
  8. [Component uploaded successfully] と表示されたら、[Work On] をクリックします。
  9. [Apply Firmware] をクリックします。

ミラー・サイトのあるデバイスでは、メイン・サイトとミラー・サイトのいずれかのデバイスに [Apply Firmware] が表示されます。

  1. 約 15 分後、または [Firmware Update Completed] の表示のいずれか早い方の後に、[View Details] をクリックします。
  2. エラーが発生していないか、詳細を確認します。[Complete Operation] をクリックします。

エラーが発生した場合、[Complete Operation] をクリックするとアップデートはキャンセルされ、それまでの操作内容が元に戻ります。

  1. マシンのステータスが [running (in maintenance)] (保守モードで稼働中) に変わったら、[Finalize] をクリックします。
  2. この手順を繰り返して、プライマリ PM でもファームウェアをアップデートします。

ステップ 2: Avance アップグレード・キットのアップロード

Avance R2.1では、Avance Management Console にアクセスするためのブラウザとして Microsoft Internet Explorer™ IE8 または Mozilla Firefox 3.6 以降が必要です。認証済みのバージョンのブラウザをお使いでない場合は、アップグレードする必要があります。

  1. Avance Customer または Partner Portal Site にログインします。 [Downloads] ページに移動します。
  2. 最新リリース用のAvance ソフトウェア・アップグレード・キットをダウンロードします。キット名の隣にある (チェックマーク) は、このキットがすでにシステムにインストールされていて削除できないことを示しています。
  3. [Avance Upgrade Kits]ページに移動します。[Add a Kit] をクリックします。
  4. [Browse] をクリックします。ダウンロードしたアップグレード・キットを選択します。
  5. [Open] をクリックします。[Upload] をクリックします。

ステップ 3: HP ツールのアップグレード: (HP システムのみ)

Avance は、サーバ・ベンダのツールと相互連携してハードウェアの状態の監視と管理を行います。HP 製のサーバでは、以下の手順でこのようなツールをサーバにインストールする必要があります。

  1. Avance Management Consoleで [Avance Upgrade Kits] をクリックします。
  2. キットを選択します。[Details] タブでは HP ツール・コレクションのパッケージが表示され、それぞれがアップロードされているかどうか確認できます。
  3. [Not Uploaded] と表示されている各パッケージに対して、以下を実行します。
    1. パッケージの URL をクリックしてダウンロードします。
    2. [Browse] をクリックします。ダウンロードしたパッケージを選択します。[Open] をクリックします。
    3. [Upload] をクリックします。
    4. Component uploaded successfully と表示されたら、[OK] をクリックします。
    5. キットを再度選択して表示を更新します。

ステップ 4: Avance ソフトウェアのアップグレード

Avance ソフトウェアは、仮想マシンなどの業務プロセスを停止することなくアップグレードすることができます。

  1. [Dashboard] をクリックします。警告メッセージやビジー・アイコンが表示された場合、アップグレードを続ける前に対処します。
  2. [Avance Upgrade Kits]をクリックします。利用可能なアップグレード・キットがリスト表示されます。現在のバージョンのキットには(チェックマーク)が表示されています。
  3. インストールするアップグレード・キットを選択します。[Upgrade] をクリックすると Avance Upgrade Wizard が起動します。
  4. 画面に表示される手順に従ってインストールを実行します。

注意: アップグレードが完了するまでウィザードを終了しないでください。 同期中の PM をシャットダウンしないでください。


トラブルシューティング: コンソールのオンライン・ヘルプで、During Install (インストール中の注意)、Upgrade (アップグレードする)、Recover (回復する)、または Replace (リプレースする)、a node fails to PXE boot (ノードが PXE 起動に失敗する) の各項目を参照してください。

ステップ 5: Windows 準仮想化ドライバのアップグレード

PV (準仮想化) ネットワーク/ディスク・ドライバは以下の役割を担っています。

  • 障害発生時に、障害の発生した PM から 稼動中の PM (ノード) へ、VM が停止することなく適切且つ確実にマイグレーション可能にします。
  • ネットワークおよびストレージ・サブシステムのパフォーマンスを大幅に強化します。
  • 3 つ以上のボリュームによる Windows ディスク構成が使用可能になります。

Dashboard では、Windows PV ドライバのインストールまたはアップグレードが必要な VM 各々に対して、警告メッセージが表示されます。このような VM 各々に対して、以下を実行します。

  1. [Virtual Machines] をクリックして、 次に VM を選択し、
  2. [CD Drives] タブをクリックします。
  3. PV ドライバ以外の仮想 CD がドライブにセットされている場合は、[Eject CD] をクリックします。
  4. メニューから [xen-win-pv-drivers-6.0.2] を選択し、[Insert a CD] をクリックします。
  5. Avance VM コンソールまたはその他のリモート・デスクトップ・アプリケーションから VM に接続します。
  6. [My Computer] を開きます。
  7. [xen-win-pv-drive (D:)] をダブルクリックします。
  8. 使用許諾契約の内容に同意します。インストール・パスを入力し、[Install] をクリックします。
  9. プロンプトが表示されたら、[Reboot now] をクリックします。

トラブルシューティング: コンソールのオンライン・ヘルプで、PV Drivers VCD has been deleted from Avance Management Console (PV ドライバの 仮想CD が Avance Management Console から削除されている) の項目を参照してください。

ステップ 6: Linux カーネル・パッチのアップグレード

R1.5.x から R2.0.2 にアップグレードする場合は、Avance ユニット上の各 Linux VM に新しい Linux RedHat Package Managers (RPM) をインストールしてください。R1.6.x から リリース R2.0.2 にアップグレードする場合、Linux カーネル・パッチのアップグレードは不要です。

  1. Avance Customer または Partner Portal Site にログインします。[Downloads] ページに移動します。
  2. Linux VM の任意のディレクトリに最新版の Linux RPM をダウンロードします。
  3. Linux のコマンド・プロンプトで以下を入力します。
    rpm -ivh --force /.rpm
  4. 次に、以下を入力します。
    reboot

    Enter キーを押します。

付録 A – 古い Avance リリース (R2.0.1) からのアップグレード

R3.0またはR4.0 にアップグレードするためには、R2.0.1 およびそれ以降のリリースが必要です。R2.0.1 より前のバージョンをお使いの場合は、Avance のサポート担当者にご相談ください。

付録 B – 3 つ以上のドライブがある Windows VM に PV ドライバをインストールすると VM がクラッシュする場合があります

AvanceR2. XからR3.XまたはR4.0 にアップグレートする際、Windows VM では PV ドライバをアップデートする必要があります。ボリュームの総数が 3 つ以上ある Windows VM の一部は、この PV ドライバのアップデート後にクラッシュして起動できない場合があります。この問題が発生することは非常にまれですが、発生すると壊滅的なダメージを起こすため、事前の予防措置をとっておくことを推奨します。VM のクラッシュはアップデート直後に発生するもので、新しいドライバのインストール後に VM が正常に動作する場合は、この問題が原因で将来的に VM がクラッシュすることはありません。ストラタスでは、Citrix と緊密に連携してこの問題の解決に取り組んでいます。なお、この問題は Avance の新規インストールまたは R3.0 /R3.1 からR4.0へのアップグレード時には発生しません。 以下で説明する 3 つ以上のドライブのある VM を実行しているシステム向けのアップグレード手順に従ってください。

  1. すべての VM を停止し、Avance ソフトウェア・アップグレード・ガイドを参照して Avance のアップグレードを進めます。
  2. 両方のノードでアップグレードが成功し、システムの健全性に問題がないことが確認できるまで待ちます (緑色のチェックマークが表示されます) 。
  3. 起動ボリュームを含めたボリューム数が 2 つ未満のすべての VM で PV ドライバをアップグレードします。
    1. PV ドライバのアップグレード前にすべてのアンチウイルス・ソフトウェアを無効化し、手順に従って PV ドライバをアップグレードします。
    2. PV ドライバのアップデート後、更新した VM がすべて正常に起動することを確認します。
  4. 次に、3 つ以上のボリュームがある VM を利用している場合は以下の手順を実行します。
    1. ボリューム数が 3 つ未満の VM を含めたすべての VM を終了します。
    2. Avance Management Console で PM を選択し、 [Work On] をクリックしてセカンダリ PM を保守モードに設定します。
    3. PM が選択された状態で、[Shutdown ] をクリックしてセカンダリ PM をシャットダウンします。PM の電源が落ちるのを待ちます。これで、セカンダリ PM のすべての VM は起動可能な PV ドライバがインストールされたクリーンな状態のコピーになります。この PM は、PV ドライバのアップデート後に VM がクラッシュした場合の VM の復旧に使用します。引き続きセカンダリ PM を保守モードのままにしておきます。.
    4. 各 VM に PV ドライバをインストールして、VM がそれぞれ問題なく起動することを確認します。ブルー・スクリーンが表示されて VM が起動に失敗する場合は、後述の VM の緊急復旧手順 を実行してください。
    5. ボリューム数が 3 つ未満のため既にアップデート済みの残りの VM をすべて起動します。
    6. この時点ですべての VM の PV ドライバがアップデート済みであり (PD ドライバに関する警告が表示されません) 、すべて正常に起動する場合は将来的に問題が発生することはなく、電源が落とされているセカンダリ・ノードにおける VM に関する情報も以後は不要になります。
    7. すべてが正常であることが確認できたら、Avance Management Console からセカンダリ PM の電源を入れます。この後 [Work On] をクリックし、PM を保守モードから通常の稼動モードに変更できます。Avance はこの PM とデータの再同期を行ないます。これですべての手順が完了します。再同期には 15 分から 20 分掛かりますが、このプロセスはバックグラウンドで実行されます。

VMの緊急復旧手順

  1. ここでは、利用中の VM のいずれかでブルー・スクリーン (blue screen of death: BSOD) が表示された方向けの復旧手順を説明します。まず VM をセーフ・モードで再起動して、PV ドライバをアンインストールします。次に、起動ドライブ単体の状態の VM で PV ドライバの再インストールを試みます。再インストールの実行には、まず VM をシャットダウンし、Config (設定) ウイザードでデータ・ボリュームを取り外します。次に VM を再起動して PV ドライバをインストールし、再度 VM をシャットダウンします。最後にデータ・ボリュームを再度追加したら、VM を再起動します。この手順が失敗する、あるいは PV ドライバのアンインストール実行が不安な場合は、次の手順に進んで下さい。
  2. 依然として起動しない VM がある場合は、セカンダリ PM から VM を再開して本番環境のサービスを復旧させることを推奨します。この手順を実行するには、現行のノードを保守モードに設定します (実行中の VM はすべてシャットダウンされます)。2 つの PM 間のプライベート・リンク・ケーブルを取り外し、Avance Management Console からプライマリ PM をシャットダウンします。次に、セカンダリ PM の電源を入れます。この PM が稼動状態に復帰すると Avance Management Console にアクセス可能となり、クォーラムに関するアラートが表示されます。強制クォーラムを実行して VM を起動します。この PM のデータは、他方の PM 上で VM が本番稼働状態で実行されなかったため、最新の状態を保持していることになります。VM が起動します。この PM をシャットダウンする前に PV ドライバのアップグレードが完了している VM は、新しいドライバで稼動します。その他の VM では、PV ドライバのアップデートが必要であることを示すアラートが表示されます。この時点で、Avance のサポート担当者に連絡して以後の詳しい手順を確認してください。

*日本語版最終更新日:2014/2/12

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